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パーソナルジムのクーリングオフ条件

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2026/9/10公開

パーソナルジムやサロンの契約は、どれでもあとからやめられるわけではありません。やめる権利が付くかどうかには線があって、その線は条文に書かれています。1か月を超える期間と、5万円を超える金額です。

このページは、その線がどの条文から出てくるかだけを扱います。契約する前に、自分の契約がどちら側にあるかを確かめられるようにするためです。

まず、対象になる契約の形

特定商取引法41条1項1号が、対象になる契約をこう決めています。

役務提供事業者が、特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約

読むべきところは2つです。期間を超えることと、金額を超えることです。どちらも「政令で定める」となっていて、条文そのものには数字が書かれていません。数字は施行令のほうにあります。

数字は施行令にある

対象になる役務は、特定商取引に関する法律施行令25条が別表第四の第一欄に送っています。1つ目がこれです。

人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと(二の項に掲げるものを除く。)。

体型を整えたり体重を減らしたりするための施術が、ここに入ります。この項目の期間の欄には「一月」と書かれています。

金額のほうは、同じ施行令の24条2項です。

法第四十一条第一項第一号の政令で定める金額は、五万円とする。

この2つを合わせると、1か月を超え、かつ5万円を超える契約が対象になります。

どちらか片方だけでは対象にならない

ここを取り違えると判断が逆になります。

契約の形期間と総額対象か
単発の体験だけその日限り・数千円対象外
月額1万円で1か月ごとに終わる1か月・1万円対象外
月額3万円で12か月契約12か月・36万円対象

3つ目のように、月額の数字が5万円に届かなくても、契約の期間が長ければ支払う総額は5万円を超えます。月額だけを見て「5万円以下だから関係ない」と判断すると、権利があるのに気づかないことになります。

料金表から総額を出す手順はパーソナルジムの料金と相場の見方にまとめました。

期間が約束されている契約の例

上の表のような、期間と回数の両方が決まっている契約もあります。

このサイトが載せている MIYAZAKI GYM の16回コースは176,000円(税込・入会金別)です。特定商取引法に関する表記に価格が並んでいて、期間も5万円もこの記事で見た線を超える契約として扱われています。だから48条のクーリング・オフと49条の中途解約が付きます。

料金表に回数とコースの期間が明記されていれば、この記事の手順どおりに期間と総額を出して線を超えるかを見られます。次に見るのは、期間が約束されていない契約の場合です。

期間が約束されていない契約もある

上の表は、どれも期間が決まっている契約です。41条1項1号が求めているのは「政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し」なので、約束されているのが期間であることが前提になっています。

ところが、期間ではなく回数だけを売る形があります。

このサイトが載せている ACCEPT(銀座)は、トップページで通い方をこう説明しています。

ACCEPTでは、利用期限を設けず、あなたのペースで無理なく継続できるシステムを導入。

回数券を買っても、いつまでに使うという約束がありません。60分コースの5回券は76,780円(税込)なので、金額の側の線は超えます。それでも、期間の側で「一月を超える期間にわたり提供することを約し」たことになるのかは、条文の文言からは読み切れません。

だからこのサイトは、この店について特定継続的役務にあたるかどうかを断定していません。読み切れないことを「対象外」と読み替えないでください。上のセルフの機器と同じで、確認できていないだけです。

確かめる先は概要書面(契約する前に渡される、料金と解約の条件を書いた書面)です。何が書かれているはずかは、この記事の後ろの「概要書面と契約書面」でまとめています。期限のある回数券についての話はパーソナルジムが倒産したら回数券はどうなるかにまとめました。

「二の項に掲げるものを除く」の意味

引用した文の末尾に、括弧書きで「二の項に掲げるものを除く」とあります。二の項は美容医療で、医学的処置や手術が入ります。医療にあたるものは1つ目の項目からは外れて、二の項のほうで扱われます。

ジムやサロンは医療ではないので、1つ目の項目のほうで考えることになります。

同じ別表の並びに、一緒に買った商品を本体と一緒に解除できる仕組みもあります。品目ごとの分かれ方は関連商品のクーリングオフはジムでも効くにまとめました。

1つ目の項目は「人の皮膚を清潔にし若しくは美化し」と書いていて、部位を限っていません。頭皮の施術を回数券で売るヘッドスパも、同じ項目で考えることになります。そちらは店の側に美容師法もかかるので、ヘッドスパの回数券は解約できるかに分けて書きました。

セルフで使う機器はどうなるか

1つ目の項目は「施術を行うこと」と書かれています。事業者の人が施術する形が想定されています。

セルフエステのように、利用者が自分で機器を使う形がここに入るかどうかは、公表された解釈で確定していません。同じ店舗でトレーナーが指導するメニューとセルフの機器の両方を売っていることもあります。

確認できないことを「対象外だ」と決めないでください。契約する前に事業者に聞く、というのがここでできることです。

成果が確実でないことは、法律の前提

同じ41条の2項2号には、こう書かれています。

役務の性質上、前号に規定する目的が実現するかどうかが確実でないもの

成果が確実でないことは、この分野が法律の対象になった理由そのものです。「必ず痩せる」と書かれた広告を見たら、その時点で表示のほうを疑うことになります。

8日の数え方は、契約した日からではない

8日間のクーリング・オフができ、これは特定継続的役務にあたる契約に限られます。ただし数え始める日は、契約した日でも、お金を払った日でもありません。

特定商取引法48条1項は、42条2項または3項の書面を受け取った日から起算して8日を経過したときを除いて、こう定めています。

書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。

起算点は書面を受け取った日です。だから書面を渡されていなければ、8日は始まりません。

終わりの側にも読み違えやすいところがあります。48条3項です。

前二項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除及び関連商品販売契約の解除は、それぞれ当該解除を行う旨の書面又は電磁的記録による通知を発した時に、その効力を生ずる。

「発した時に、その効力を生ずる」なので、事業者に届くのが9日目でも構いません。8日目に出せていれば間に合っている形です。残しておくのは届いた日ではなく、出した日になります。郵便なら特定記録や簡易書留、メールなら送信済みの控えです。

概要書面と契約書面

事業者が渡す書面は、概要書面(契約する前に渡される、料金と解約の条件を書いた書面)と契約書面です。先に渡すのが概要書面で、42条1項にこう書かれています。

当該特定継続的役務提供等契約を締結するまでに、主務省令で定めるところにより、当該特定継続的役務提供等契約の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。

これが概要書面です。契約したあとではなく、契約する前に渡すものとされています。契約書面のほうは、契約したあとに遅滞なく渡すことになっています。

体験の日に何を渡されるかはパーソナルジム体験の当日にやることにまとめました。

渡された書面と一緒に会員規約が付いてくることがあります。規約の免責の条項がどこまで効くかはパーソナルジムで怪我をしたときの責任で条文から見ています。

自分の契約がどちら側かを確かめる順番

契約する前に確かめるなら、この順で見ると早いです。

まず料金表で、月額と契約期間を見つけます。次に、その月額に注記が付いていないかを見ます。期間の縛りはたいてい注記のほうに書かれています。そこから支払う総額を出して、5万円を超えるかどうかを見ます。最後に、その期間が1か月を超えるかどうかを見ます。両方を超えていれば、特定継続的役務にあたる契約です。

料金表だけで判断がつかないときは、事業者に概要書面を出してもらうのがいちばん確実です。概要書面には、役務の内容と対価と期間が書かれています。契約する前に渡すものとされているので、まだ契約していない段階でも求めることができます。

事業者が「対象外です」と言ったとき

窓口の担当者が制度を正確に把握していないことがあります。そういうとき、こちらが持っている材料は、条文と自分の契約内容です。期間と金額を計算した数字を示して、どの条文にあたるのかを聞くのが具体的です。

その場で答えが出ないなら、持ち帰ってかまいません。判断を急がせる理由が事業者の側にあるだけで、こちらが急ぐ理由はありません。

ウェブで予約や申込みをする場合(12条の6)

体験の予約や入会の申込みを画面で済ませる場合、その画面のほうにも条文がかかります。12条の6第1項です。

販売業者又は役務提供事業者は、当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が定める様式の書面により顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み又は当該販売業者若しくは当該役務提供事業者若しくはそれらの委託を受けた者が電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により顧客の使用に係る電子計算機の映像面に表示する手続に従つて顧客が行う通信販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込み(以下「特定申込み」と総称する。)を受ける場合には、当該特定申込みに係る書面又は手続が表示される映像面に、次に掲げる事項を表示しなければならない。

申込みの手続きが表示される画面に、決められた事項を表示しなければならない、としています。回数や期間といった分量、料金・支払いの時期・解除に関する事項がそこに入ります。初回体験の価格だけが大きく出ていて、その後の契約の条件が確認画面に無い場合は、ここに当たるかどうかを見ることになります。

表示がなかった場合や、事実と違う表示をされた場合の規定もあります。15条の4です。

特定申込みをした者は、販売業者又は役務提供事業者が当該特定申込みを受けるに際し次の各号に掲げる行為をしたことにより、当該各号に定める誤認をし、それによつて当該特定申込みの意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

誤認して申し込んだときは取り消せます。8日のクーリング・オフが一月を超え五万円を超える契約にしか付かないのに対して、こちらは通信販売の章にある規定なので、その線を満たさない契約でも、また8日を過ぎていても検討できます。

迷ったときの相談先

契約の前でも後でも、消費者ホットライン188に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。契約書面を手元に置いて相談すると話が早く進みます。

実際の店舗で確かめる手順はカラダビスタの料金と体験の流れ、やめるときの計算はパーソナルジムの中途解約と請求額にあります。

線を超えていない契約でも、解約金が高すぎるときに使える条文は別にあります。そこはパーソナルジムの解約金に効く条文があるにまとめました。

この記事で確かめたこと

原文から引用した文
10
出典
3(法令 2)
公開

引用が出典の原文と一致するかを、公開後も機械で照合しています。確かめ方は運営者情報にあります。

紹介した事務所の資格と料金

事務所運営会社契約の形解約の権利が付く線
ACCEPTパーソナルジムACCEPT合同会社サイトの表示からは判断できず
171,600円(税込) / 別途: この金額は60分コース12回のものです。同じページに60分の5回76,780円・8回123,200円・16回220,000円・24回316,800円と、30分コースの5回38,390円・8回61,600円・12回85,800円・16回110,000円・24回158,400円が並んでいます。入会金は33,000円(税込)、都度払いは30分7,700円・60分15,400円です。分割払いは最大3分割までと書かれています
MIYAZAKI GYM株式会社リーブル2か月超・5万円超(表示で確認)
176,000円(税込) / 別途: 入会金22,000円(税込。当日入会で無料)が別にかかります。この金額は16回コースのもので、48回369,600円・24回211,200円・8回96,800円・都度払い1回13,200円も同じページに並んでいます。ペアレッスンは1回あたり2,200円増、分割払いは提携信販の審査と条件によります
ACCEPT
東京・銀座のパーソナルジム。回数券の総額が30分コース・60分コースとも5回から24回まで税込テキストで並び、入会金・都度払い・分割払いの条件も同じページにあります(2026-09-12 確認)。栄養指導は回数券に含まれます。会社概要は「パーソナルジムACCEPT合同会社」「〒104-0061 東京都中央区銀座2-12-4 アジリア銀座 J’s402」「代表取締役 小澤海那月」「設立 2020年2月13日」「資本金 1000万円」。**クーリング・オフ・中途解約・返金についての記載はサイト内に見つからず、特定商取引法に基づく表記のページもありません**(2026-09-12 再確認)。回数券を「無期限で使える回数券制」としているため、41条1項1号の「政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し」に当たるかが条文から読み切れず、tokutei は fumei にしています。2026-09-12 時点のトップページには「期間:2026年9月1日~9月30日」「先着3名様限定(定員になり次第終了)」と明記したキャンペーンがあり、入会金無料と全コース10%OFFが出ています。**期間と数量が書かれているので記事には定価だけを載せ、キャンペーンの金額は書いていません**
MIYAZAKI GYM
特定商取引法に基づく表記に「株式会社リーブル」「東京都渋谷区渋谷1-1-10ニューハイツ青山1003」があり、全コースの価格が消費税込で並んでいます(2026-09-11 確認)。返金は「独自の返金保証」として契約後7日以内は理由を問わず入会金を含め全額返金とし、8日目以降は行わないとしたうえで、「法定のクーリング・オフ」を別項目に立てて「契約形態が特定商取引法の『特定継続的役務提供』等に該当する場合、書面等受領日を含む8日間は申込みの撤回・解除が可能です(法令が当社規定に優先)」と書いています。電話番号は迷惑電話対策として非掲載で、請求があれば遅滞なく開示するとしています

料金は各社の公式サイトで、税込価格が文章で明示されているものだけを掲載しています。 「解約の権利が付く線」は、特定商取引法41条1項1号が施行令24条に委ねている 期間と金額のことです。体型を整える施術では1か月を超え、かつ5万円を超える契約だけが 特定継続的役務になり、クーリング・オフと中途解約の対象になります。 公式サイトの表示で判断できなかったものは「判断できず」と出しています。 見つからないことは、線を超えないことを意味しません。

出典